「離乳食、いつから何を食べさせるか悩む…」そんな声をよく聞きます。アレルギーが心配で、つい離乳を先延ばしにしてしまいたくなる。
でも実は、アレルギーは“食べるよりも前に、触れることで始まる”ことがあるとしたらどうでしょう?
◆アレルギーはどうやって起きる?
最近の研究では、皮膚から入った抗原(アレルゲン)はアレルギーを起こしやすく、腸から入った場合は逆に免疫が慣れてくれることがわかってきました。
この考え方は「デュアルアレルゲン仮説」と呼ばれています。
「触れてから食べる」よりも「食べてから触れる」ほうが、体が「これは安全なもの」と認識しやすい。
この仮説は、アレルギーの予防や治療の考え方を大きく変えるきっかけにもなっています。
◆注目の研究結果があります
- たとえばピーナッツアレルギーのリスクが高い赤ちゃんを対象にしたイギリスの研究(LEAP Study)では、ピーナッツを早くから食べたグループは食べなかったグループよりもアレルギーの発症率が約80%も低かったと報告されています。
この研究は600人以上の乳児を対象に行われ、世界中の食物アレルギーに関するガイドラインの見直しに大きな影響を与えました。
◆家庭でできること
- アトピーや乳児湿疹のある子はスキンケアを徹底して皮膚を守る
- 食べ物はむやみに遅らせず、月齢に合ったタイミングで少しずつ始めていく
- 調理後や食後には赤ちゃんに触れる前にしっかりと手を洗う(兄弟が食べているものを触った手で赤ちゃんに触れることも意外な落とし穴です)
◆おわりに
アレルギーが心配で慎重になる気持ちはとてもよくわかります。でも、「正しい知識があれば、行動でリスクを減らせる」と知っておくだけでも、安心につながります。
食べるタイミングと、皮膚を守るケア。それだけで未来が変わるかもしれません。
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