非認知能力を育てる3つの遊び方とは?

子どもが積み木で遊んでいる。 Uncategorized

前回の記事では、子どもの「非認知能力」が将来の学力や社会性にもつながる大事な力であると紹介しました。今回は、どんな”遊び方”がその力を育てるのに役立つかを見ていきます。

遊び方にはいくつかのタイプがあり、それぞれが子どもの成長に異なる影響を与えることがわかっています。ここでは、「ルールのない遊び(open-ended)」「ルールのある遊び(close-ended)」「ヒントのある遊び(guided)」の3つを紹介し、どんな特徴があるのかをわかりやすくまとめてみます。

◆遊びには3つのタイプがある

子どもの遊び方には、大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの遊び方には特徴があり、伸ばせる力も異なります。この違いを知っておくと、おもちゃの選び方や親の関わり方にもヒントが見つかるはずです。

タイプ特徴
ルールのない遊び
(open-ended)
遊び方に正解がなく、子どもが自由に発展させられる積み木、ままごと、粘土、段ボール遊びなど
ルールのある遊び
(close-ended)
やり方やゴールがあらかじめ決まっているパズル、クイズ、電子教材など
ヒントのある遊び
(guided)
自由な遊びに大人が声かけなどでやさしく方向づけするブロックで「動物園つくろう」など

◆最も効果的なのは “ヒントのある遊び(guided)”

ヒントのある遊び(guided)”は、非認知能力を育てるうえで最も効果が高いとされています。子どもが自分のペースで遊びながらも、大人の声かけやちょっとしたサポートがあることで、自然と学びにつながっていきます。

たとえばSkeneら(2022)の研究では、guidedな関わりによって語彙力や空間認知、自己コントロールといった力が高まることがわかっています。自由さと導きのバランスが、子どもの学びを深める鍵になっているのです。

◆”ルールのない遊び”と”ルールのある遊び”の役割

“ルールのない遊び(open-ended)”は、「こうしなきゃ」がなく、子どもが自由に試したり工夫したりできる遊びです。創造力や集中力、自分で考える力を育てる土台になります。

一方、”ルールのある遊び(close-ended)”は、知識の定着やルールの理解など、決まった目的に向けて力をつけたいときに役立ちます。ただし、自由な発想を引き出すには少し物足りない面も。

◆実際にどう取り入れる?

現実的には、毎回”ヒントのある遊び(guided)”をできるとは限りません。”ヒントのある遊び(guided)”は大人の関わりが必要で、子どもに自由な発想の土台があることが前提です。

だからこそ、普段は”ルールのない遊び(open-ended)”を中心にして、余裕があるときに”ヒントのある遊び(guided)”にしてあげるというスタンスでOK。必要に応じて”ルールのある遊び(close-ended)”も取り入れていくと、バランスのよい遊び環境になります。

たとえば、自由に遊べるブロックやおままごとのようなおもちゃなら、大人が関われば”ヒントのある遊び(guided)”、子どもだけでも”ルールのない遊び(open-ended)”になります。

◆まとめ

“ヒントのある遊び(guided)”は、非認知能力の発達において最も効果的とされています。ただし、常に大人が関われるとは限らず、また子ども側にも自由に遊ぶ基礎力が必要です。

そのため、”ヒントのある遊び(guided)”が難しい場面では、”ルールのない遊び(open-ended)”や”ルールのある遊び(close-ended)”を適宜取り入れることが大切です。”ルールのない遊び(open-ended)”は創造力や集中力の土台を育て、”ルールのある遊び(close-ended)”は知識やルール理解に役立ちます

それぞれの良さを活かしつつ、状況や子どもの様子に応じて無理なく使い分けていくのが、現実的で効果的なアプローチと言えるでしょう。


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